死に損ないの太陽
肩を叩かれてその方角へ歩いていく
思い出すことをやめているんだ。
一人になれば思い出すから
今はまだ聞きたくない
取り繕った笑顔で生きていける
それだけでもういいんだろ
掠れていく言葉とアイロニー
いずれは忘れるから
煙を纏って空は埋まる
排気ガスやビルの残りカス
展望台から見た景色は
くたびれ果てる太陽
手紙ばかりが増えて言ったんだ。
言葉だけ置き去りにしていって
聞いておいて欲しかった事は
もう書く気にもなれない
今日の風は少し生温い
あの頃心と塞ぎ込んだドア
ノックをして出てきてほしいんだ
今なら連れ出せるから
陽が差し込む前に行こうぜ
今がどうとかそうじゃなくて
ただ、歩いてきてほしいだけなんだ
この場所まで歩けるように