日々と戯言とそこの片隅

鶴見義龍のしょうもない日常

碧森

始まりを告げた夜明けと朝の境目
真昼の月は眠りについて、夢を見る
やっと、絞り出した言葉が一つ
林檎の成る木も静かに揺れる
 
ようやく、この先を進んでいくのかい?
後ろから聞こえる歓声や飛び交う罵声
パレードなんて呼ぶには無様なものだろ
踏み出すその足に捧げる花束も無い

 
最後に一つだけ聞いておきたい
呼んだこの声はあの時に聞こえてた?
なんでもない日々と共にうろつき回った
ラブソングなんて歌ってた近いあの日の出来事
 
忘れてしまったかい?
 
すれ違いだなんて大層な事だったよな
レコードを回して僕らは踊る
鳴り止まないベルの音が焦らしたり
いつものことなんだろうと思ってた
 
最後に一つだけ言っておきたい
呼んだその声は聞こえないふりをした
何もかもを醒めない夢のようにはしゃぎすぎた
 涙が渇く前に歌って、またページを捲るように

雲は遠くなるけど
 
終電車に飛び乗ったあの日の事
夜はまたこの場所から手を振って
なぁ、いつかは薄れることもあるけど
ラブソングなんて歌ってた近いあの日の事だけ
 
忘れないだろ
 
さよならはまたいつかに取っておく