旅に出る虹(仮)
喉の奥の方で
もしもまだ詰まるのなら
どうかいつかはその手で
僕の明日を突き放してくれ
夢を見るのにこの眼は酷く疲れた
靄がかかったライトのその先
掴めるのはいつ頃だろう
誰かと話した
アルタイルは寂しがり屋
「あなたを想うためのこの川はとても愛おしい」
こんな時に聴こえてくるのは
青い春にカビが生えたもの
笑えてしまうのに
笑えてしまうのに
昨日見た思い出は遠い風に揺らいでる
胸の奥の方で
その声でまだ呼ぶのなら
どうかいつかはその手で
その場所へ連れ去ってくれ
旅に出るのに体は弱くなりすぎた
霞んで行く空の色を
眺めるのはいつになるだろう
いつかの日と笑えるのは
きっとまだこれよりも先で
笑い転げて、涙を枯らす
僕の目のはるか遠く虹が薄く靡いてる