レム(仮)
靡く街と揺れる掌の上に
続いていって諦めた幸せを
切り詰めて、散りばめて、辿り着いて
素直にきっと受け入れたら
橋の上を転げ落ちて笑うだろ
ルービックの形を合わせるように
絵に描いたような花の上
見上げて儚さを知るあの粒の夢を
理由は、語れない。その胸の内が
歩き続けることを願うだけ
レンガは赤みを帯びてその胸も包んで
紫の影が優しく誘っている
凛と鳴る鈴のような声のまま
無垢な人のまま笑えたらいいのに
満月は青い海の底で
ジリジリと迫るだろ
手を伸ばせば繋がる未来を
無防備に今欲しがるのなら
静かにその胸の奥を黒く差し込む