蒼い鳥なんかいない
言葉は影となりを潜めて
背中の傷をえぐっていく
重い足を引きずっては
遠のく景色に恋い焦がれる
知らないふりをするのになれて
面倒になってくたびれる
そうやって駄々をこねることも
慣れてしまった吹き溜まりの果て
火を灯す。
寒さで凍える夜に
火を灯す。
昔聴いたロックンロールに
身を焦がして
港の街は潮の匂いがする
煌めく星を奪い去っていく
重い足を引きずっては
自らが付けた足枷に笑う
火を灯す。
潮彩の匂いとこの街に
火を灯す。
昔聴いたロックンロールに
身を焦がして
船を漕ぐ。
まだ誰かを待つのなら
舵を取る。
あの場所に心を震わして
身を焦がして