日々と戯言とそこの片隅

鶴見義龍のしょうもない日常

シンデレラはいない

困り果てた顔でパーティーを続けよう

誰かが作った夢の話を思い出して

薄く笑ってる言葉が心の棘に刺さるから

静かに騒めく森の中を二人は歩いてた

時計の針が24時を回って

手品のように夜が終わるなら

あの場所へまた連れ出してくれないか

ガラスの靴が溶け出すように

緩やかに夜は遠ざかる

誰かに借りたままの幸せが

遠くで揺らいでる

嘆いた声が窓を叩くなら

誰かが作った嘘のような話を

ポケットにしまうのさ

壊してしまわないように

手品のように夜を連れ出して

この街と黒く染まる

ガラスの靴を君が履きながら

静かに夜は遠ざかる

誰かに借りたままの不幸と

踊り出すのさ

ガラスの靴が溶け出すように

緩やかに夜は遠ざかる

誰かに借りたままの幸せが

遠くで揺らいでる

シンデレラはいないから

この夜も終わるのだろう

二人が回るこの夜に

誰かに借りたままの幸せも

この街が明ける