父を捨てた。
数年前の事だ。父と母を捨てた。
父は母の再婚相手だし、血は繋がってなかった。
それでも、僕にとって父だった。
そして、その父と母を二年ちょい前に捨てた。
他の人に言わせれば些細なことだと思う。
ただ、不幸自慢はするつもりはないから説明とかは省く。
その数年堪えてたものが弾け飛んだ爆発を起こした。
そして、府中から今まで住んでた岩槻に戻ってきた。
岩槻には前から一緒に住んでた祖母と僕の叔父がいる。
岩槻に戻ると泣きながら叔父に電話をかけた。
叔父は「何も言うな。戻ってこい。」
そう言ってくれた。
涙が止まらなかった。自分勝手に岩槻を飛び出しても、それでも尚、僕を受け入れてくれるその心に深く感謝するしかなかった。
岩槻の自宅に戻り祖母にあった時に「おかえり。ご飯食べな」
いつもそこに居たみたいに、本当に当たり前のように受け入れてくれた。
その日食べた変わらない食卓は少し塩水が強く、気が付いたら視界が水で濁って勝手に水が溢れた。
畜生。畜生。うめぇよ畜生。
ひたすら食べた
優しさとはこういう事なのかもな。
俺にとって、叔父が兄貴であり親父だった
俺にとって、祖母が母であった。
俺が最初から欲しかったものはずっとここにいてくれたんだ。
頭が下がらない。
俺みたいな馬鹿野郎を受け入れてくれるその心に。
俺みたいな馬鹿野郎をいつものように受け入れてくれたその心に
俺は頭を下げるしかできねぇ。
深く書く気は無い。
ただ、振り出しに戻ったのなら
また、手に入れるだけだし、大事だったものに素直であろう。
そう思う。
今日は父の日だ
兄貴とお袋にケーキと酒を買って帰ろう